「下呂温泉に一人旅したいけど、どの旅館がおすすめかわからない」
この記事はそんな方に向けて書いています。
有名温泉地でも、行ったことのない人にとっては、
「どの旅館が人気なのか」
「どの旅館が有名なのか」
こういったことはなかなかわかりませんよね。
宿泊予約サイトを見れば、宿泊可能な旅館とプラン、価格は出てきます。
ただ、立地条件など、土地勘がない人にはどう選べば良いか難しいところです。
「どうせ泊まるなら歴史と伝統ある有名旅館に泊まりたい!」
このように思っても、宿泊予約サイトではこれらの情報はわからないんですよね。
この記事で紹介する3つの旅館に共通するのはこんなポイントです。
・おひとりさまの宿泊可能
・下呂駅から徒歩orシャトルバスで行ける
この記事では、下呂温泉への一人旅について紹介していきます!
一人旅で温泉旅館に泊まる難しさ
一人旅好きで温泉好き、そんな人は少なくないと思います。私もその1人です。
ですが、1人で温泉旅館に泊まろうと思うと、こんな悩みがありませんか?
・おひとり様NG or 和室に1人で泊まるため割高
・レストランで一人で食事は周りの目が気になる
マイカーがあればまだ良いかもしれませんが、車を持っていない人にとっては駅から遠い温泉街はハードルが高いですよね。2名以上で行けばレンタカーだいやガソリン代を割り勘して安く済ませられますが、1人だと全て自分で負担しなければなりません。たいていの温泉は電車とバスを乗り継いで、公共交通機関のみで行くこともできますが、バスは本数が少なく、場合によっては狭い車内で大きな荷物を持って1時間近く立ちっぱなしでバスに揺られる…ということもあります。「電車を降りたらすぐ目の前が温泉街」という場所が、一人温泉旅行には適していると言えるでしょう。
温泉旅館はほとんどのお部屋が和室です。旅館サイドとしては、1室に泊まる人数が多い方が効率よく利益を出すことができるため、おひとり様向けのプランを用意していなかったり、あったとしてもかなり割高なケースが少なくありません。閑散期であれば、空室を作るよりはおひとり様でも宿泊してもらいたいので、おひとり様向けプランがあったり、比較的割安にしているケースもあります。
温泉旅館の場合には、お部屋食かレストラン(お食事処)でのお食事を選べる場合があります。中には、ひとりでレストランで食事するのは周りの目が気になるし、寂しいと考える人もいるでしょう。私自身、周りは夫婦や友達と食事を楽しんでいるお客様ばかりの中、ひとりで食事をしたこともありますし、ホテル内の広い食堂の中、私以外にお客様がいない状況で食事をしたこともあります。宿泊した隣の客室でひとりで食事をしたこともありました。もしかしたら、このような経験を楽しんでしまうタイプの人もいるかもしれません。さらに、おひとり様は、レストラン限定でお部屋食不可という場合もあります。お部屋食には人手の面でコストがかかるためです。どうせひとりで食事をするのなら、旅館近くの飲食店に行った方がいいと考える人もいるでしょう。
これら3つの問題をクリアしているのが下呂温泉であり、これから紹介する3つの旅館です。いずれも時期にもよりますが、1人であるために割高な宿泊代金を代金を取られることなく宿泊できる、一人旅歓迎の宿です。
・名古屋から下呂までJR特急で1本
・駅から徒歩5分で温泉街
・ほとんどの宿がおひとり様OK
・温泉街には夕食を摂れる飲食店多数
(朝食は旅館で)
駅から温泉街まで徒歩で行くことができ、様々な業種と価格帯の飲食店が並んでいるのが下呂温泉の特徴です。コンビニも複数あります。朝食に関しては旅館で取らなければなりませんが、夕食やランチなら温泉街で楽しめます。
おすすめの飲食店はこちらの記事で紹介しているので、参考にしてみてください。
では続いて、おすすめの旅館3つを順番にご紹介します。
水明館
水明館といえば、下呂温泉の代名詞とも言える、下呂を代表する旅館です。2021年末には「第47回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」の総合3位に輝いています。今回3つの旅館を紹介していますが、もしこの3つの中で迷った場合にはここがおすすめです。天皇陛下や総理大臣などの数多くの著名人も宿泊しているだけに、「下呂温泉で水明館に泊まった」という事実だけで、トラベラーとして箔がつきます。
・下呂温泉を代表する旅館に泊まりたい
・ベッドで寝たい
・駅から近い宿がいい
水明館は下呂駅から徒歩3分と、下呂駅から最も近い旅館の1つです。おひとり様でも宿泊も多く、洋室のシングルルームもあり、若いカップルの方におすすめのリニューアルしたばかりの新しいツインの和洋室もあります。
大浴場は3種類あり、内湯付き露天風呂、最上階の展望風呂、サウナや檜風呂を楽しめる大浴場とバリエーション豊かです。チェックインすぐ、寝る前、朝と3回の湯めぐりができます。
温泉街の中心まで徒歩5分程度で行けるため、夕食は温泉街で食べることもできます。館内で食べる場合にはお食事処での和会席、レストランでのフレンチ、中華料理から選べます。温泉街に来たら歩き回らずゆっくりしたい方は館内にはラウンジやバーがあるため、1人でゆっくりコーヒーやお酒を飲んでくつろぐのもおすすめです。館内の中華レストランでは21:30からミッドナイト営業として、ラーメンや点心などのアラカルト料理を食べることができるため、1杯飲んだ後のシメのラーメンまで楽しめます。
朝食はお食事処でのバイキングが基本です。職人が丹精込めて作ったお料理を楽しむことができます。
飛泉閣、臨川閣、山水閣の3つの館に分かれており、ひとりでの宿泊の場合には飛泉閣か山水閣になります。飛泉閣はフロントのある館で和室やシングルルーム、山水閣はツインの和洋室や和室です。ベッドがいいという方は飛泉閣のシングルルーム、庭園や川を眺めて温泉旅館らしい時間を過ごしたい方には山水閣の和室がおすすめですよ。
下呂温泉は平安時代からの歴史があり、多くの旅館が立ち並んでいます。その中でも水明館は下呂温泉を代表する老舗温泉旅館です。下呂温泉を知る人々に「下呂温泉の旅館といえば?」という質問をすれば真っ先に上がるのが、水明館でしょう。 こんな方に[…]
水明館公式HP:https://www.suimeikan.co.jp/
小川屋
小川屋は温泉街のど真ん中にあり、今回ご紹介する旅館の中では最も周辺観光に便利な旅館です。飲食店やお土産店、コンビニが徒歩2,3分圏内にあります。70年以上の歴史がありますが、ここ5年以内に大浴場やレストランなどのリニューアルを立て続けに行なってきたため、モダンなデザインのとてもキレイな内装です。
・おしゃれなお風呂に入りたい
・館内で湯めぐりしたい
・下呂グルメ満載の朝食バイキングを楽しみたい
・温泉街をぶらぶらしたい
小川屋の特徴はおしゃれな5つの大浴場と、朝食バイキングです。
3ヶ所にある大浴場のうち2ヶ所が露天風呂付きになっており、3つの内湯とそこからつながる2つの露天風呂を合わせて、趣の異なる5つの大浴場という構成になっています。サウナや水風呂は当たり前、浴場の床に畳を敷き詰めた畳風呂、人工炭酸泉、檜の露天風呂、細かな気泡が毛穴の汚れを落としてくれるマイクロイオンバスといったバラエティ豊かなお風呂が集まっています。湯めぐりが楽しくなって、ついつい長居してしまうでしょう。温泉スパ「汕」では、大浴場に続く導線にも工夫がなされています。エレベーターを降りた瞬間から広がる、芸術空間に、「どんな世界が待っているんだろう」と温泉に入る時には通常沸かないようなワクワク感が込み上げてきます。「汕」の内装も、古代遺跡にいるような、とても洗練された空間になっていて体だけでなく、心も洗われるような感覚になりました。
朝食は日替わりの飛騨牛料理と朴葉味噌、飛騨牛乳プリンといった下呂グルメを楽しめるほか、館内で毎朝手作りしているワッフルや焼き立てパン、おにぎりといった素朴な味わいも楽しむことができます。約50種類の豊富なメニューの中には、卵焼きに新鮮な野菜サラダ、なめらかな口あたりのお豆腐などもあり、健康を意識した朝ごはんにすることも可能です。選ぶだけで楽しく、私が宿泊した時には選ぶだけでかなりの時間を要してしまいました。全種類制覇は当然ながら無理でした…
お部屋は全15タイプあり、建物や山側、川側をかなり細かく指定できます。
和室、洋室、和洋室、部屋風呂なし、露天風呂付き客室などなど豊富にあるので、旅の目的やご自身の体に合わせて選びましょう。
下呂温泉といえば、建物が重要文化財に登録されている「湯之島館」、1万坪の敷地を最大限に活かした多様な楽しみ方ができる「水明館」など、歴史があり、お風呂や食事など様々な面で上質な旅館の宝庫です。 その中でも、この記事では、温[…]
小川屋公式HP:https://www.gero-ogawaya.net/
ホテルくさかべアルメリア
温泉街とは反対側の山の中腹にある旅館です。駅からシャトルバスを使って行きましょう。今回ご紹介する旅館の中では唯一、徒歩で温泉街やコンビニに行くのが困難な旅館です。しかし、その分温泉街の喧騒から離れた静かな場所にあり、レストランや露天風呂からは下呂温泉街の素晴らしい景色を一望し、楽しむことができます。
・景色を眺めるのが好き
・洋風でおしゃれな内装が好き
・おしゃれな浴衣を着たい
・館内で静かにゆったり過ごしたい
館内でゆったりと過ごしたい方ならこの旅館がおすすめです。小川屋や水明館と比べるとやや小さい旅館ですが、洋風の内装がとてもおしゃれで落ち着いた雰囲気のある旅館です。山の斜面に沿って作られているため、各フロアが斜めに繋がり、エレベーターではなくケーブルカーでフロアの移動をするのがとても新鮮な感じがします。階段での移動も可能ですが、他の旅館のように螺旋状ではなく、真っ直ぐに伸びているため、最上階から斜め下にある最下階を見下ろせるという面白い構造です。
大浴場は内湯のみのものと、最上階の展望露天風呂付きのところの2ヶ所があります。夜は内湯、朝に展望露天風呂という楽しみ方がおすすめです。大浴場の展望露天風呂があるのはここの他には雅亭くらいなので、下呂温泉ではとても貴重な存在になっています。朝の気持ち良い日差しを浴びながら、下呂温泉を一望する時間は本当に最高ですよ。
館内には大きな売店もあり、下呂温泉のお土産はここで揃います。女性のみですが、ロビーにある「彩り浴衣コーナー」で自分の好きなデザインの浴衣を選ぶことができ、館内で過ごす時間をさらに自分らしくなるように演出してくれるんです。レンガの昭和レトロな内装が粋な「レンガ横丁」は昼は喫茶店、夜は居酒屋と時間帯によって違った楽しみ方ができます。夜はジャズの心地よいBGMを聴きながら、飛騨の地酒を嗜んでみてはいかがですか?
お食事は館内のレストランでバイキングやセットメニューを選べます。下呂温泉の景色もおかずに添え、ひとりでゆったりと飛騨の恵みが詰まった和会席をいただくのもきっと素晴らしい思い出になることでしょう。
お部屋は私が一人で宿泊した時には10畳のアジアン和室に泊まることができました。和室ではあるものの、洋風のモダンな味わいを取り入れた、とてもおしゃれなお部屋なのでひとり旅にもおすすめです。
景色がいい温泉旅館に泊まりたいと思ったらくさかべアルメリアがおすすめです。下呂温泉街を見下ろす山の中腹にあり、レトロ居酒…
ホテルくさかべアルメリア公式HP:https://www.armeria.co.jp/
各旅館の特徴まとめ
ここまで水明館、小川屋、ホテルくさかべアルメリアという3つの旅館をご紹介しました。最後にそれぞれの特徴のまとめです。
○下呂温泉の代表的旅館
○シングルルームあり
○駅近
△リニューアルしたての部屋もあるが年季を感じる部屋もあり
※全室禁煙(喫煙所あり)
○おしゃれな5つの大浴場
○お部屋を細かく選べる
○種類豊富な朝食バイキング
○温泉街散歩に便利
△館内の移動が不便
※喫煙、禁煙室混在
○洋風の独特な内装と構造
○展望露天風呂から下呂温泉街を一望
△温泉街とは駅を挟んで反対側(静かだが観光は不便)
※新館和室、新館洋室、アジアンスイートのみ喫煙可能(消臭対応可)
水明館は一部客室はリニューアルしたばかりですが、一般の客室や大浴場はやや年季を感じてしまうかもしれません。とはいえ、どんどんリニューアルが続いているので、この問題が解決されるのは時間でしょう(特別室は2021年12月にリニューアル)。小川屋は館内のリニューアルが進んでいてモダンなデザインではありますが、館内が広く、レストランや大浴場を巡る際にはエレベーターを複数乗り継いだり、階段の上り下りがあったりと、移動の利便性に欠けています。ホテルくさかべアルメリアは他の2つの宿に比べると観光には不便です。シャトルバスで駅との間を移動し、温泉街を巡る際には駅のコインロッカーに荷物を預けるなどの手間がかかります。