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旅行業界の実務に役立つおすすめの本7選を職種別に紹介

「旅行業界を目指しているけど、業界研究をどうしたらいいかわからない」
「旅行会社に入社したけどスキルアップの方法がわからない」

こういう人は、とても多いです。実際に私もそうでした。
就活前に取るべき旅行業界の就活と実務に役立つおすすめの資格5選でも紹介しているように、資格の勉強をするというのも1つの手段ですが、ここで紹介している資格を取得することで得られる知識はあくまでも土台でしかなく、「対人スキル」「ノウハウ」「仕事を段取りよく進める力」といったものを身につけるのに読書は必須です。

読書ほど効率的に他人の経験を取り入れる手段はありません。

旅行業界で仕事をすると社内の仲間やお客様だけではなく、ホテル、レストラン、バス会社、鉄道会社、観光施設など(これらを関係機関と呼びます)、いろんな人が関わることとなります。ツアー成功のためには彼らとの人間関係を良好に保ち、お互いに気持ちよく働く必要があります。そこで必要になるのが「対人関係スキル」なのです。
「バスドライバーや宿泊施設のスタッフに不快な思いをさせてお客様に悪影響にならないように」というのは添乗員が常に気にするところです。

旅行会社社員は観光業界において「指揮者」の立ち位置になり、関係機関とお客様との間に立って両者の要望、できることを調整する役になります。こんな時はこうすると上手くいった、あるいは失敗したという他の社員のエピソードが「ノウハウ」として蓄積し、役立てることができるため、それらを学べる本というのも重要です。

営業や企画部門になると複数のツアーの業務を同時並行的に進めていくことになるため、「業務に優先順位をつけて段取りよく進める力」も必要になります。それを身につけるためには先輩のやり方を真似するよりは、その道のプロのやり方を学べる本を活用する方が効果的です。

このように、旅行業界で仕事を進めていくためには、先人の知恵が結集した本を読む行為は必須といえます。一流の人に会うことはできなくても、その人の考え方、やり方を学ぶことができるのが読書です。

この記事では、旅行業界で働く仲間や先輩に「旅行業界で役立つおすすめの本」についてアンケートを実施し、その回答として得られた本を含めて私が実際に読み、役立つと感じたもの7冊をまとめました。
まずは、興味のある本からでいいと思います。しっかり学習してスキルアップしていきましょう。

全職種共通の“ガイドブック”

旅行に行く時にまずガイドブックで情報収集する人は多いでしょう。実は旅行業界で働く私たちも同じです。広く浅い知識をガイドブックで入れ、必要に応じて気になった観光地、グルメをピックアップしてそれらを深く調べるためにネット検索を活用します。これが最も効率よく情報収集できる方法です。それらを地図に当てはめて観光ルートを決めるためにGoogleMapを活用する方法で行程表を作成します。

国内なら“まっぷる”

法人営業をしている同級生が、仕事でのまっぷるの活用方法を教えてくれて、とても役立つなと思ったので紹介します。

☆おすすめ理由☆
・法人営業は提案先がとても多く、その都度効率よく勉強する必要があった。本の方が目次が載っているため、ネット検索して参考サイトを探すよりも早い。
・飲食店やお土産店は掲載されているものをそのままお客様に紹介できる。
・モデルコースが載っているため、行程をほとんどそのまま使える。
・数ある国内のガイドブックの中では地図が多くて見やすいのがまっぷるだから。

同時並行で複数の顧客を抱える営業のお仕事の場合には“効率よく勉強”がやはり求められます。そこでガイドブックが活躍するんですね。

社員旅行の場合にはお客様から「美味しいお店教えて!」とよく聞かれるため、その際の回答の引き出しとして持っておくのにも役立ちます。行ったことがないお店でも、ガイドブックに載っているという信頼感から自信を持って紹介できるので安心です。

同じ営業所内の社歴20〜30年の先輩もまっぷるを活用していたこともあり、社内での貸し借りが頻繁に行われているようです。

私自身も、添乗に出る前の下調べにまっぷるを活用しています。道路地図を多く出版しており、地図のプロフェッショナルである昭文社が発行するガイドブックだけあって、地図は本当に豊富でわかりやすいです。そのため、バスの通行ルートや観光ルートがどのようになっているかを調べるために重宝しています。
ご当地グルメや主な観光地、お土産まで網羅されているので、あらかじめ広く浅く知識を身につけておくのにとても有効です。

海外なら“地球の歩き方”

これも業界で働く仲間や先輩から多く出た意見でした。

☆おすすめポイント☆
・データが充実
・移動や食事などの独特のルールを掲載
・治安面の詳細な注意情報
・写真が充実

人口、首都、時差といったデータから、気候と服装、通貨、独特の文化、祭りなどのイベント、価値観、宗教、よくある犯罪とその手口、チップの習慣、名物グルメ、その国の公共交通機関の利用方法、空港の案内など、旅行で実際に役に立つ情報が盛り込まれているのがとても重要なポイントです。特に宗教や食べ歩き、写真撮影など日本では寛容な点でも国によってはシビアであったり、法律が厳しくなっているなど、注意しておかないと大きな失敗につながるものもあります。その国に到着する前にお客様に伝え、トラブルを防ぐことはとても重要です。

簡単な挨拶などの現地の言葉が載っているため、それらを現地で使えばより楽しい滞在にできると思います。さらには、政治に関する情報もあります。例えば、台湾の本では「中国との微妙な関係」「なぜ親日なのか」といった政治や歴史にまつわるものまで紹介されています。観光地の紹介に関しては情報量が本当に豊富なため、業務として活用するにはちょうどいい情報量です。

コロナ禍で海外旅行需要が落ち込んだ2020年〜2021年にかけて、単に各地の紹介にとどまらない“地球の歩き方”が誕生しました。世界中の様々なランキング、グルメ、雑学、お祭り、岩、島、巨像などテーマを絞り、ちょっとマニアックな様々な特集を組んだ本が出版されています。もちろん勉強にもなりますし、世界について楽しく学ぶことができるのでおすすめです。
ちなみにこの本は各国や地域について1〜2ページにまとめて簡単に紹介をしているものです。入門編として、広く浅く様々な国や地域の概要について学ぶことができます。観光地以前に国や地域についての歴史、政治についての知識に自信がない人や、もっと詳しくなりたいという人には本気でおすすめする本です。

ガイドブックの活用法はこちら↓

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営業職向けの3冊

さまざまなツアーを同時並行で準備しながら、新規開拓や入札に備えて企画書作成と、優先順位をつけて業務を進める力がないとあっという間に仕事が追いつかなくなるのが旅行業界の営業です。
実際、添乗しながら次のツアーの手配確認や電話での打ち合わせ、入札に備えて見積もりの取り寄せや企画書作成をしているのが当たり前です。

早い段階から、できれば学生のうちにそれらのノウハウと能力をつけておきたいものです。

最強の優先順位

仕事の優先順位について扱う本ではしばしば、“重要度”と“緊急度”の2つの軸で業務の優先順位を決めるよう書かれています。これに則って業務を進めているビジネスマンもいるでしょう。
しかし、この2軸で業務の優先順位を決めていてもたいていうまくいきません。

そこで、うまくいく方法を教えてくれるのが、「最強の優先順位」です。

上司からの指示や取引先からの突然の電話など急に発生する割り込み仕事、その時の体調や感情によって作業効率が落ちて優先順位が変わってしまいます。

例えば、1日のスケジュールをしっかり決めて仕事を始めたのに、「これを今日中にまとめておいてくれ」という上司からの指示、後輩からの質問、なぜか今日に限ってたくさんかかってくる電話…
これらの対処をしていて予定より業務量が増えて今日も結局残業という経験は誰もが一度はしているのではないでしょうか?

時間帯や場所、周りの環境によって適した作業は変わることを前提に、全ての仕事を効率よく進められるように割り込み仕事も想定したスケジュール設定、同じあるいは似た業務はまとめて行う、業務は締切日でなく発生日ベースで取り掛かるなどをして時間を味方につける具体的なノウハウと考え方が、筆者の実体験とともにまとめられています。

営業の魔法

営業の仕事は何かを売ることでしょうか?

日々の業務に忙殺されていると、目の前の仕事をやっつけるので精一杯になり、本来の仕事の目的を見失いがちになります。

そこで、営業の仕事の本質を教えてくれるのが「営業の魔法」です。
誰かを幸せにすることを営業の仕事の本質と捉え、二者択一法といった、営業の具体的なスキルやノウハウを教えてくれます。

ありがちなおカタい自己啓発本、ビジネス書とは異なり、ストーリー仕立てで書かれているためとても読みやすく、読書が苦手という方にもおすすめです。

添乗員向けの3冊

添乗員として必要な知識は観光地や宿、公共交通機関についてです。これらはガイドブックやインターネットなどを活用すればみにつけることができます。しかし、知識と同じくらい大切なのが「この場面ではこんな業務をする」「この状況になったらこう対処する」というノウハウです。これらは先輩に聞かなければ学ぶことができません。
しかし、実際に業務している間に先輩からノウハウを盗むのは簡単ではありません。先輩に質問できる時間も非常に限られます。そこで、添乗員が書いている、添乗のエピソードをまとめた本が大きく役立ちます。

「こんな時はこうする」「お客様にこう言われたら、こんな風に考える」といった、実際に経験しないと積めない経験値を吸収できます。
これらの本を読んだ後に、添乗の現場で似たような場面に遭遇した時に本の内容を思い出して対処したところ、うまく行った例があります。本を読まずにその場面に遭遇していたら、間違った対応をしていたに違いないと思います。

添乗に出る可能性がある職種であれば身につけておくべきノウハウが詰まった3冊です。企画部門など、自身が添乗に出ない職種でも、添乗員がどのような気持ちでどのように業務しているのかを知るためにとても有用な本だと思います。

添乗員ヘトヘト日記

50歳で添乗員になった筆者の、添乗の様々なエピソードがまとめられているのが「添乗員ヘトヘト日記」です。エピソード自体がとても面白く書かれているため、楽しく読めます。

単に添乗のエピソードだけではなく、派遣添乗員としての生活、プライベート、業界の構造まで知ることができるため、巷に出回っている業界研究本や「旅行業界 仕事」などとネット検索して得られる情報と比べても旅行業界の仕事や添乗員としての生活に関して、よりリアルな内容を知ることができます。

感動を想像する海外添乗員ですべての国を行く働き方

ワールド航空サービスでアフリカ5ヶ国を制覇、170ヶ国に添乗した筆者の添乗エピソード、大学生としての過ごし方のアドバイス、就職活動から添乗に出るまでの苦労話、体験談まで書かれているのが「感動を想像する海外添乗員ですべての国を行く働き方」です。添乗員ヘトヘト日記に比べると添乗エピソードは少なく、就活に直接役立つ内容が多くなっているため、就活前の学生にとっては一番身近に感じられる本だと思います。

就活のアドバイスの中で、仕事選びは「不純な動機」でいいという考え方を語っています。カッコつけて自分を大きく見せるよりは、素直な動機の方が仕事を好きになれるし、長く続けられるということなのです。このようなアドバイスが至る所に盛り込まれているので、就活生にとって読み応えのある本になっているでしょう。

添乗員に向いている人、なるためにはどうしたらいいかに加え、スキルアップの方法も書かれていました。
添乗員に向いているのはお世話好きで仕事が丁寧な人、反対に向いていないのは仕事が遅い人だそうです。様々な状況に瞬時に対応しなければならない添乗員ですので、仕事が遅い人が向いていないというのは納得です。
「添乗員になるためにはどうしたらいいか」については資格についての解説を含め、英語力の必要性や、必須の知識として世界史や地理をあげています。これから就活を迎える人、添乗員としてキャリアアップしていきたい人への自己啓発にぴったりの一冊です。

添乗中のリアルなスケジュール、心構え、気をつけること、やりがいや喜びまで書かれていることから、添乗員になった後のリアルな生活や仕事の状況を具体的にイメージできるため、就職後に「思っていたのと違った」というミスマッチを防ぐために役立ちます。業界全体の近年の変化や展望まで網羅されているため、巷の業界研究本の要素も含まれ、業界研究、職種研究がこの1冊でほぼ完成します。

接客一年生 お客様に信頼される50のコツ

客室乗務員として国内線、国際線に乗務し、客室乗務員の育成担当まで務めた接客のプロ、七條千恵美さんの本です。
「接客業は好きだけど、なんだかうまくいっている気がしない」
「お客様が喜んでくれない」
「今の自分の接客で本当にいいのか不安」
「接客レベルを上げてもっとステップアップしたい」
こんな方々におすすめなのが、「接客一年生」です。

基本がしっかりとできていれば応用はできるという考え方のもと、お客様に満足を与える小手先のテクニックは一切書かれておらず、「接客の本質」に重点を置いて書かれているのが特徴です。

自分ではなかなか考えたことがなかったような、小さな動作、言葉遣いといった基本的だけれどとても重要なポイントについて考えるきっかけになる本です。

この本を読んで基本を意識するようになるだけで、接客レベルがグッと上がります。
ただなんとなくの接客は卒業して、本質を理解した接客でお客様も自分もハッピーになりましょう。

読書は社会人に必須の学習

社会人の平均勉強時間は1日に6分と知っていましたか?
それでも、日本の雇用形態がまだまだ年功序列賃金、終身雇用だからそれなりに年次を重ねるだけで、特にスキルアップしていなくても昇給、昇進できるのです。

一方で、世界中の経営者やビジネスで成功している人々、お金持ちは読書家として知られています。
勉強しない多くの日本人は会社での仕事以外に知識も経験も身につかず、会社以外では何の役にも立たない知識、経験、肩書きを手に入れ、それで満足しているのが現状です。

しかし、物価が上昇している反面、賃金がほとんど上がっていない日本ではそれでいいはずがありません。
読書や勉強によって知識を増やし、感性や判断力を磨いていくことが必要です。
知っていると得することが世の中にはたくさんあります。それは学校のように先生が教えてくれるわけではありません。自分にとって役立つ情報は、自分で取りに行かなければなりません。

お金や肩書きは何かの事件に巻き込まれれば簡単に失ってしまいます。ですが、知識は誰にも奪われません。どんな時代でも知は力です。知識なくして道は開けないと思います。

読書ほど効率的に他人の経験を取り入れる手段はありません。

自らの豊かな人生を切り拓いていくために、読書による学習は必要なのです。
今の自分のままでいいのか…と不安な人は今すぐ行動です!
読書で人生を豊かにしていきましょう!