みなさんの修学旅行の思い出といえばなんですか?
友達と食べたお食事が強く印象に残っているという人もいらっしゃると思います。
豪華な食事を食べた思い出があるでしょうか?「少なかったな…」「安っぽかったな…」という印象を持つ方もいるかもしれません。
実は、修学旅行の際にホテルやレストランなどで出されるお食事のほとんどは修学旅行限定メニューであり、一般客には提供していないメニューなのです。
この記事では、修学旅行の添乗員である私が実際に添乗中に生徒や先生とともに味わった、修学旅行限定メニューについて解説しています。
・なぜ限定メニューを用意しているのか
・どんな特徴があるのか
を実例も含めて紹介します!
修学旅行限定メニューとは?
修学旅行の際に立ち寄るホテルやレストランでは、修学旅行生には一般と同じメニューは出さず、修学旅行限定のメニューから事前に学校に選んでもらい、当日はそれを提供しています。
また修学旅行でなくても、団体での旅行であれば団体専用メニューが基本的には用意されています。
そのような対応をしているのにはいくつかの理由があります。
なぜ限定メニューを作るのか
限定メニューを作る最大の理由は大量に作りやすいメニューを設定する必要があるからです。
団体の食事では、同じ時間に数十人、数百人分という大量のお食事を作らなければなりません。
よって、盛り付けが繊細なメニューなど、1つ1つを作るのに時間のかかるメニューでは作るのが大変です。
決められたメニューから事前に選んでもらい、全員に同じメニューを提供することで、時間やお金、そして食材の無駄を防いでいます。
事前にメニューを決めてもらうことで必要な食材を必要なだけ仕入れ、仕込みをし、当日の予定の時間に合わせて提供できるように準備することができるのです。
大量生産、大量提供のため、1つあたりの価格を下げることもできます。上質なお料理を、安めに提供することができます。
以上の理由から、団体の専用メニューを設定することは、時間、お金、食材のロスをなくす意味で作る側と食べる側の双方にメリットがあるのです。
修学旅行限定メニューの特徴
修学旅行限定メニューの特徴は茶色いことです。(笑)
これは、半分冗談、半分本当の話です。
理由は上記の通りとして、ホテルや旅館、レストランによっては一般団体(大人)用メニューと修学旅行団体用メニューを別に設定しているところがあります。
一般的には修学旅行団体の方がお客様が食事にかけられる予算が少ない一方で食べる量が多いです。
よって、安くボリュームある食事を提供するためにどうしても衣でかさ増しできる揚げ物、ベーコンやハム、ソーセージのような加工肉、焼きそばのように簡単に調理できてボリューム感のある麺類が多くなってしまうのです。
このため、ビュッフェかセットメニューかに関わらず、修学旅行用メニューは茶色が目立ってしまいます。

この写真はおしゃれなビュッフェスタイルになっていますが、夕食で出るものとしてよく出るお料理を写しています。ソーセージやハンバーグ、フライドポテト、ナポリタンなどです。
さらに、サラダもキャベツの千切りにミニトマト、刻んだキュウリといったといったような簡素なもの、スープもお湯で溶かしただけといった内容になることもあります。
と、ここまで読むと学生のお子様がいる保護者の方からは「修学旅行で一体何を食べているんだ!?栄養面が不安だ!高いお金を払っているのに、子供が満足できずに帰ってきてしまうではないか!」と思われるかもしれません。
ですが、心配無用です。今ご紹介したのは、修学旅行中のお食事の中で最も価格を抑えられてしまった場合の内容ですし、「食事の質を上げて修学旅行生や先生方に満足して帰っていただきたい」という思いは全国各地のホテルや旅館が持っていて、近年ではどんどん食事内容が改善されています。
奈良のとある旅館では以前は上記のような内容の食事を出していたのですが、数年前にメニューを一新し、奈良名物のくず餅、柿の葉寿司等を提供するようにしたほか、使用する食器も上品な和食の御膳で出てくるような上質な小鉢を使用するようになりました。
私はこの旅館にこの半年で2回、修学旅行添乗で訪れましたが、2回とも食事について先生からは高評価をいただいています。
一部ではありますが、最近私が添乗中に食べた修学旅行限定メニューをご紹介します。
実際に先生や生徒が食べているのと同じものです。
これが修学旅行限定メニューだ!実例公開
ホテル・旅館でのお食事
京都ではおばんざいが!!

京都市内のとあるホテルでの夕食です。
京都グルメといえば?という質問をしたときに度々回答に上がるおばんざいがありました。これは修学旅行ではかなり珍しいです。セットメニューの中の一部におひたしのようなものが出ることはありますが、このようにずらっとおばんざいが並ぶのは希少です。(実は生徒よりは先生が喜んでいました)
全部ホテル内で作っているそうです。このホテルに修学旅行で泊まることができたら本当に幸運ですね。
大阪ではたこ焼きに串カツも!

大阪にあるホテルの夕食のビュッフェでは、大阪名物のたこ焼きや串カツが登場しました。大阪のホテルに宿泊した場合、修学旅行でもたこ焼きと串カツは定番メニューです。これは一度に大量に提供しやすいという団体専用メニューを設定している理由や、安く多くという修学旅行メニューの特徴のコーナーで紹介した内容に当てはまっている料理であることも、大阪での定番メニューになっている理由かもしれません。
他にも、修学旅行で京都の旅館での夕食といえばすき焼きが定番です。以前は、部屋食なら部屋のメンバーで、会場食なら4名程度で1つの鍋をつつくのが楽しみでしたが、現在では感染症対策のために個人盛りでの提供になりました。
また、京都の旅館では湯豆腐も夕食、朝食問わず提供される特徴的な定番メニューです。
一方、沖縄ではホテルによってですが、ゴーヤチャンプルや沖縄そば、サータアンダギーはよく出てくるメニューです。それから、パインジュース、マンゴージュースといった飲み物が出てくるのも沖縄らしい特徴の1つになっています。
レストランでのランチ
だいたいは幕の内弁当スタイル、あるいはカレーライスが多いです。
中学校、高校の関西への修学旅行での昼食については、初日に奈良公園付近のレストラン、京都からの帰りの新幹線に乗る前に京都駅周辺のホテルや旅館で食べることが多いです。このような場合にはたいていは幕の内弁当スタイルの場合が多いですがお弁当が並べられるわけではなく、以下の写真のようにご飯やお味噌汁は別盛りで、おかずがお重のようなものかお皿に盛り付けられた状態で並んでいます。

スキー遠足や、小学生の日光の修学旅行の最後の昼食などではカレーが多いです。
沖縄では幕の内弁当やカレーではなく、郷土料理や名物グルメを味わうことが多いです。
写真はひめゆりの塔近くでいただいた沖縄そばです。他にもステーキ、沖縄料理の定食やバーベキューが定番ですが、本島北方の国頭村では郷土料理のやんばる鍋をいただいたことがあります。

奈良では奈良漬やくず餅が出ると行ったように、わずかながらでも各地での名物が味わえることがよくあります。
京都のホテルで、京都らしい料理が一切ない洋風のランチビュッフェだったこともありますが…
昼食の際にはたいてい添乗員はバタバタとしていることが多く、写真を撮るどころではないことも多いため、写真資料が少ないのですが、これからどんどん追加していきたいと思っています。
新幹線や飛行機内でのお弁当
初日の昼食は新幹線や飛行機内で食べるお弁当のパターンが一番多いです。
新幹線の場合にはホーム上で列車に積み込み、時間を決めて車内で配布、飛行機の場合には集合場所でお弁当業者から受け取り、その場で配布します。ゴミも列車内や機内で回収できるため、手間が少なく、現地到着後の観光の時間を多く取れるため効率が良いです。
業者がクラス毎などに仕分けてくれており、当日欠席者が出ればその人数分の余りは出ますが、それ以外に数が合わないということはほぼありません。新幹線内で、乗せ込んだお弁当の段ボール箱を各クラスの乗車号車に運び、段ボールを開封し、ゴミ袋を設置して、いつでも配布と回収ができる状態を作ることが新幹線乗車後の添乗員の業務の1つです。

内容は幕の内タイプが基本です。唐揚げやエビフライ、コロッケ、天ぷら、煮物やポテトサラダといった内容が中心です。この写真のお弁当は、修学旅行で出るお弁当の中ではやや豪華な方の部類になります。
写真に写っているようなパックのお茶も基本的にセットでついてきます。
個性的なお弁当などに出会った際には、追記していきたいと思います。
まとめ
このように、団体専用メニューについて解説してきました。
修学旅行をはじめとする団体旅行での食事においてもう1つ大切なのがアレルギーや宗教上の理由からメニューが変更になる場合の対応です。
施設側、添乗員、先生、いれば同行する派遣看護師で料理の成分表や該当メニュー、変更後のメニュー、各生徒のアレルギー情報の資料を共有しています。基本的にアレルギー生徒は座席を指定し、食事開始前に施設担当者、先生、添乗員で該当生徒の名前、変更内容を確認し、生徒着席後にあらためて施設担当者から本人に説明をして、間違いを防ぐようにしています。
・時間、お金、食材のロスを防ぐ
修学旅行限定メニューの特徴
・安く、多くを念頭にした食材多め
・修学旅行では安く、多くするために地元の料理が出ないこともある
※アレルギー対応は大人たちが神経尖らせて気を遣っています。
以上、修学旅行や団体旅行のちょっとした裏話でした。
旅行業界を目指す方や旅行会社の新入社員の方には役立つ内容だったのではないでしょうか?
子供を修学旅行へ送り出す保護者の方にとっては、近年の修学旅行での食事のイメージを持っていただくことができたと思います。
今後も、修学旅行の裏話を書ける範囲で書いていく予定なので楽しみにしておいてくださいね。


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