スポーツの国際大会での添乗業務を解説!インバウンドのMICE添乗がわかる

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スポーツの国際大会ではよく旅行会社がホテルやバス、食事の手配と当日のサポート業務を行なっています。

大会の裏での選手やスタッフの様子を見つつサポートする貴重な経験ができる仕事です。

この記事ではスポーツの国際大会で添乗員が行なっている業務を解説しています。

・旅行業界への就職を考えている
・スポーツが好き
・選手の試合以外での様子を知りたい

こんな方々に読んで欲しい記事になっています。

スポーツの国際大会で行う添乗業務

国際大会での添乗業務は、日本到着時に空港で出迎え、
ホテルへバスに同乗して、ホテルにて日本滞在中の過ごし方の案内を行い、
食事のサポート、買い出し、バス等の移動手段の管理、
そしてコロナ禍の現在はバブルを守るための誘導、見張りをホテルや警備会社と協力して行い、
さらにはPCR検査のサポートや陰性証明書をお渡しする業務を行なっています。

さらに一番重要な業務が、
食事、バスの配車、チームの出発、PCR検査、陰性証明書のお渡しなどの
時間を決めるスケジューリング業務です。

これらについて1つずつ詳しく解説していきます。

入国&チェックイン

事前に決まっている各国のフライトの日本到着に合わせて空港にスタンバイし、
チームを連れて滞在ホテルに向かいます。

そのため、業務のスタートが空港からになり、
他の添乗員と顔を合わせる前に業務がスタートし、
ホテル到着後に落ち着いてから添乗員打ち合わせという流れになることが多いです。

空港には便の到着より前にスタンバイし、
飛行機が遅れていないかなど運行状況を確認し、
バスが配車されているかの確認、
チームとの合流場所からバスまでの導線確認をします。

チームと合流したらお手洗いの時間を取るなどし、
バスへ乗車、ホテルへ向かいます。

ホテルへ到着したらそのままロビーへ誘導し、
部屋の鍵のお渡し、日本滞在中の過ごし方を説明します。
通常であれば食事の時間や場所と内容、翌日の出発時間、喫煙所、
人によってはスーパーやコンビニの場所や両替所を案内します。

しかし、現在はコロナ禍で一般客との接触を分ける必要があるため、
食事やホテル出発時、その他用事がない場合には自分の部屋からの外出禁止
ホテルによっては一般客と違うエレベーターなどの導線を案内します。

ホテルにて

ホテルでは選手たちはミーティングと食事、
その他事務局への用事以外では自分の部屋から出ることができません
そのため、臨時で警備員を雇って、ホテルの規模に応じた人数を配置しています。
彼らと協力して、選手と一般客が接することのないように努めるのも仕事です。

その他に、生活面のサポートも行っています。
例えば、時間を指定して洗濯物を受け付け、指定の業者に引き渡します。
そして、指定の時間までに業者が洗濯を終えた衣類をホテルに届けてくれ、
各国選手の代表などが事務局などに取りに来ます。
選手が遅れて持ってきたり、引き取った洗濯物を確認した際に
「靴下が片方ない!」
などといったトラブルになった時には大変です。
業者さんと協力しながら臨機応変に対応していく力が求められます。

選手の代わりに買い出しに行くこともあります。
アミノ酸ドリンクやバナナなどはアスリートである彼らにとっては重要なアイテムです。
自国から持ち込むにも限界があり、彼らの要望を聞いて買い出しに行きます。
帰国日が近づくとお土産のリクエストが増えてくるので探すのが大変です。
インドネシアの監督は東京ばな奈のある味の8個入りを50箱とリクエストしてきて
さすがに断りました…
インドからは扇子、掛け軸といった日本らしいお土産もありました。
そして中華台北チームに人気だったのがカップ麺です。
1人で10種類以上、商品まで指定してきたので探すのが本当に大変で、
メーカーに問い合わせたところ販売終了しているものもあり、
全部を買うことはできませんでした。

最も重要な仕事が帰国時に必要な陰性証明書を発行するための
PCR検査のスケジューリングと運営です。

大会期間中に行うため全参加国の試合や練習のスケジュール、
食事の時間とフライトの日時に陰性証明書に関する各国のルール、
各国の希望日時を総合的に考慮してスケジューリングを行います。

「出国の48時間以内に発行された証明書のみ有効」
「入国の72時間以内に発行された証明書のみ有効」など
国ごとに異なるルールを調べ、フライト時間をもとに、
“検査は何日の何時以降でないといけないか”を割り出す作業が大変でした。
同じ国の選手が皆同じフライトで同じ国に帰るわけでもなく、
PCR検査は唾液でOKの国もあれば、鼻に綿棒を入れるタイプでないといけない国もあり、
さらに、中国は血液検査が必要など様々です。

スケジュールさえできてしまえばあとは業者さんと協力して準備、運営を行うだけです。
鼻に綿棒を入れるタイプの検査の国は看護師や医師の資格を持った人でないとできないため、
彼らと協力して運営します。
英語ができない医師、看護師もいるため、簡単な通訳も大事な仕事です。
誰が受けて、誰が受けていないか、リストで慎重にチェックしながら進めます。

もちろん好きな人はいないけれど、
海外の選手たちは鼻に綿棒を入れるタイプが本当に嫌なようで、
逃げようとしてイスから落ちそうになったり、看護師の腕を押さえつけたり大変です。
彼らの体を支えるという仕事まで発生するとは予想外でした。

ちなみに看護師から後で聞いた話によると、
選手が動いてしまうことよりも、日本人より濃い鼻毛が邪魔だったことの方が
検査する看護師としては厄介だったそうです。

検査をすればそれで終わりではなく、各チームに陰性証明書を渡すのが最も重要です。
業者さんから陰性証明書が発行され、ホテルに届く時間を聞き、
いつどのような形でチームに渡すかを決めます。
多くは出発時ですが臨機応変に変わります。

PCR検査と陰性証明書については各国の監督やスタッフが非常に神経質になります。
それがないと帰国できないのだから当然です。
「PCR検査はいつやるんだ?」
「証明書はいつもらえるんだ?」
と何度も聞いてくる国は1,2ヵ国どころではありません。
こちらも業者さんとやりとりする際の緊張感が高まります。

食事

通常であれば宴会場などを使ってビュッフェ形式などで様々なチームが同じ会場で食事を摂りますが、
現在は宴会場でビュッフェ形式でプラスチックの弁当箱に食事を取って部屋に持っていって食べる、
あるいは食事を取る部屋は共用で、食べる部屋をチームごとに分けるなどの対応をしています。
朝食、夕食はホテルで、昼食は競技会場またはホテルと案件によって変わります。
食事の際には、会場に立って国ごとの場所の案内やその場で出る様々な要望に対応します。

例えば、「スプーンをくれ」「マヨネーズはあるか?」といった優しい要望もあれば、
「この料理には何が入っている?」「豚肉は使われている?」
「ベジタリアンフードはどれ?」「ハラル対応してる?」
といった宗教が絡むやや複雑な質問、
「量が少ない」「種類が少ない」といったクレームも聞き、
ホテル側にやんわりと改善を訴えることもします。

特に宗教上食べられないものがある人々にとって日本での食事問題は深刻です。
ホテルとしては基本的には平等になるよう全チームに同じ料理を提供するわけですが、
全ての宗教等に対応する料理を準備するのは大変です。
この点については私は要望を伝えないわけにはいかない一方、
ホテル側の苦労も想像できるため、あまり強くは言いづらい現実もあります。

スポーツの大会となると、競技会場で食事がとれる場合は別として、
ホテルでの食事の場合には試合時間やホテルから会場への移動時間などもあり、
ちょうどランチの時間に昼食をとれない場合が少なくありません。
そんな時の食事を用意するのも添乗員の仕事です。

事前にチームから要望を聞き、お弁当を手配したり、
スーパーへ買いに出かけたり、出前を頼むこともあります。
私がこれまでに経験したのは、ピザの宅配を頼んでロビーで受け取り、
チームの宿泊フロアの廊下に机を出して並べる、
また近くのお弁当屋さんで数種類のお弁当を購入し、同様に廊下に並べるパターンです。
数十個のお弁当を添乗員数人で運びます。お弁当屋さんもきっとびっくりですね。
そして選手が帰ってきて食事を済ませると、
今度はまた弁当に関して様々な要望が出るので、次回の買い物にそれを活かします。

最近では食事とは別に選手たちが自らUber Eatsを頼むケースが出てきています。
ホテルの食事では出ない食べ物や飲み物を注文して、お部屋で楽しんでいるようです。
滞在期間の後半になってくるとホテルの食事に飽きてしまったのか、
食事の前にUber Eatsを頼んでそれで食事を済ませ、食事会場に現れないチームもあります。
Uber Eatsを頼むこと自体は禁止もOKもしておらず、黙認状態ではあるのですが、
選手と一般人が接触するのを避けなければならないため、
ロビーでの受け渡しや配達員が直接部屋まで行ってしまうことは止めさせなければなりません。
通常の配達員であれば配達時にフロントに寄るため、フロントで商品を預け、
ホテルスタッフに部屋に運んでもらえるのですが、エレベーターが死角になっていたりすると
配達員が直接部屋に行ってしまうケースがあるため、ホテルスタッフと協力しながら添乗員も注意しています。

バスのコントロール

この業務のことを「バスまわし」と呼ぶ添乗員が多いです。
いつどこにどんなタイプのバスが何台必要なのかを確認、振り分けをし、
バス会社に依頼します。
当日、予定通りの時間にバスが配車されているか確認し、
お客様が乗車したら人数確認をして出発となります。

しかし、これで終わりではなく、
下車場所でそのお客様をご案内するスタッフが必要です。
出国のために空港に向かう場合は添乗員がバスに同乗する場合が多いですが、
同乗しない場合に、下車場所で待つスタッフに、
バス会社、国名などお客様の情報、到着時間、合流場所、
空港なら搭乗便などを伝えておくことまでが業務になります。

出国

出国前の空港での業務はあまり多くはありません。
チェックインの際に付き添ってあげるくらいです。
空港のスタッフも語学ができるため、通訳してあげる必要もほぼありません。

ただ、スキーの板などスポーツの競技によっては特殊な大型荷物があるため、
その場合には事前の連絡や、預け入れ時のサポートが必要な場合があります。

これらはこのような航空会社のHPを見て調べます。
https://www.jal.co.jp/jp/ja/dom/baggage/checked/

夕方以降の出発便の場合にはホテルのチェックアウト時刻との兼ね合いで、
空港での待ちが長時間になる場合があります。

私が最近添乗したスポーツの国際大会のあるチームのケースでは、
千葉市内のホテルに滞在し、成田を22時頃出発する便に搭乗予定でしたが、
ホテルは11時にはチェックアウトしなければならず、12時には成田に着いてしまいました。
チェックインが始まるまでの7時間、空港で待機しなければなりません。
当然、チームからはホテル出発を遅くできないかという要望がありましたが、
その日の夕方から新しいお客様を受け入れるホテル側は当然拒否します。
このチームには先輩添乗員が同行していたのですが、
この添乗員が空港で彼らの荷物を見張っておくことで、空港内は自由に過ごして良いとし、
なんとか丸く収めることができましたが、先輩は本当に7時間近く見張り続けたそうです。

飛行機の遅延、欠航がなければ、
チーム全員が保安検査場を通過すれば業務終了です。
ただ、実際に出発するまでは何が起こるかわからないため、
添乗員が空港に残っているケースもあります。
遅延や欠航となった場合には航空会社とやりとりをして代替案をチームに提案、
場合によっては空港近くのホテルを手配して泊まり、翌日出発となります。

まとめ

インバウンドのMICE添乗について、スポーツの国際大会を例に解説しました。

日本滞在中、彼らにとっては私たち添乗員が頼りなので、
食事や帰国便の相談に限らず、生活全般のあらゆることについて相談に乗り、
要望にできる範囲で応えていきます。

語学力だけでなく、各国の文化についても理解が求められる仕事ですが、
一度に多くの国の方々と関わることができるとても珍しい経験ができる仕事です。

他にも添乗でのエピソードや、添乗員のライフスタイルなどを紹介しているので、
ぜひ読んでみてくださいね↓

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